IBMA ~International BudoMan Association〜Established in 2023

KyokushinUniversal-style競技規程(日本語版)

KyokushinUniversal-style競技規程

 

第1章 HITTING KyokushinUniversal-style競技について

第1節 競技の目的と理念

第2節 競技の名称、他

第3節 競技者の基本規約

第4節 競技時間

第5節 競技場

第6節 計量

第7節 服装、防具、他

第8節 コーチ

第2章 競技役員

第1節 レフリー並びに補助レフリー

第2節 ジャッジ

第3節 タイムキーパーならびにスコアボード係

第4節 ドクター

第3章  判定方法

第1節 勝敗の判定

第2節 採点方法

第3節 採点方法の備考

第4節 延長戦における勝敗の判定

第5節 「場外」「転倒」による「イエローカード」、他

第6節 「技有り」「一本」、他

第7節 特記事項

第4章  反則行為について

第1節「口頭注意」「イエローカード」「レッドカード」の宣告

第2節 危険な行為へのイエローカード

第3節 危険な行為以外の「イエローカード」と「口頭注意」

第4節 レッドカードによる失格

第5節 失格

第5章 選手とレフリーの所作

第1節 選手の所作

第2節 審判の所作

第3節 レフリーの宣告方法、所作、他

第4節 レフリーによる勝負判定の宣告作法

第6章 その他の特記事項
備考

 

第1章 HITTING KyokushinUniversal-style競技について

第1節 競技の目的と理念

 

  1.  ヒッティング競技は、「打つ」という武技の行使において、自己の心技体を高め統合させるスキルの追求を目的とする。さらに他者の尊厳を護り、同時に自己の尊厳を最高に高める「礼の精神」の涵養を目的とする。よって、本競技においては、自他の無益なダメージの与え合いを避けて、自他の技をより善く活かすことを目標とする。
  2. 我々は、本競技の目的を実現しようとする意志を「武道人精神(BudoManShip)」と呼び、その精神を以て日本に育まれた武道文化を、多様な文化や教育と融合させる。
  3. 本競技は、2011年に制定されたオリンピック憲章にある、オリンピズムの根本精神に準拠し、オリンピックムーブメントへの参入を目指すものである。なお、オリンピック憲章では、「オリンピズムは人生哲学であり、肉体と意志と知性の資質を高めて融合した、均衡のとれた総体としての人間を目指すものである。スポーツを文化と教育を融合させることで、オリンピズムが求めるものは、努力のうちに見出される喜び、良い手本となる教育的価値、社会的責任、普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重に基づいた生きた方の創造である」と明記されている。そのオリンピズムと我々の目指す「武道人精神」は同根のものである。それは、全人類の叡智に根差したものであり、我々「IBMA」の目指す「大義(Taigi)」の実践と同一のものである。

第2節 競技の名称、他

 

  1. 本競技の名称は「Kyokushin Universal-Style」とする。正式名称は「HITTING Kyokushin Universal-style」とする。
  2. 本競技は、年齢、性別、体重、等を考慮し、各クラスを設定する。

 

第3節 競技者の基本規約

 

競技者の基本原則を以下のように定める。

  1. 競技者は本規程の競技理念並びに規定を遵守する者とする。
  2. 競技者はIBMAに選手登録すること。
  1. 競技の進行の妨げとなるおそれのある負傷・長髪、爪、その他観客に不快の念を与える風体の者の競技は許可しない。
  2. 急性炎症性疾患・感染性疾患などに罹患している時の競技は許可しない。その他ドクターが競技に不適であると認定した者、及びドクターの診断勧告に応じない者の競技は許可しない。
  3. 全力で競技を行なわない、もしくは故意の反則等、悪質な行為をした選手は、選手登録を抹消し、以後、選手登録はできないこととする。また、選手には弁明の機会を与えることとする
  4. 競技会開始時間並びに競技時間に遅れた選手は、失格とする。
  5. 足甲部、脛部、膝部、胴部、頭部、拳部などを保護する防具の着用を義務付ける。なお、プロテクターの種類等については、別紙において定める。

 

 

第4節 競技時間

 

競技時間並びに本戦、延長戦については以下のように定める。

  1. 競技は基本は2分2ラウンド。ただし競技レベルによって5ラウンドまで可とする(ただし、試合前に告知すること、かつ延長戦を除く)。
  2. 規定のラウンド終了後、採点が同点だった場合、延長戦を行う。
  3. 延長戦は1分間の間を挟んで行い、競技時間は2分間とする。
  4. 延長戦及び再延長戦の回数は、競技を主催する主旨およびクラスなどによって変更することを許可する。ただし、その場合、延長戦の時間並びに回数については、競技前に選手に告知すること。
  5. 競技時間については、少年やシニア対象の競技大会など、IBMAが許可すれば、競技時間等の変更は認める。

 

第5節 競技場

 

競技を行なう競技場については以下のように定める。

  1. 公式競技における競技場のメインスペースの広さおよび形は、1辺6~8メートルの正方形又は直径6~8メートルの円形とすること。
  2. 競技場には、メインスペースと場外スペースを設けること。
  3. 場外スペースは2m以上の幅とすること。競技場のメインスペースと場外スペースは、下図のように選手並びに観客に分かるようにすること(下図は一例)

 

 

  1. 競技場のマットは、選手が怪我をしないような厚みと堅さを有するものを使用しなければならない。
  2. 競技場には、選手と観客に得点が見えるように競技場の2カ所以上にスコアボードを設置すること。

 

第6節 計量

 

  1. 体重別のクラスに参加する選手は、競技当日、審判委員会が決めた計量時間内に計量を行い、審判委員会の承認を得なければならない。
  2. 計量時間内に計量を済ませなかった時や規定体重を超えた場合、選手は失格となる。
  3. 競技前にドクターの診断を受け、健康な状態にあることを証明しなければならない。

 

第7節 服装、防具、他

 

選手に関し、以下のように定める。

  1. ヒッティングベーシック競技を行うものは、競技競技の目的に照らし、IBMAが許可した競技用防具、頭部面、胴部プロテクター、脛プロテクター、拳プロテクターなどを使用することとする。
  2. 競技の妨げとなるおそれのある負傷・長髪、爪、その他、また観客に不快の念を与える風体の者の競技は許可しない。
  3. 急性炎症性疾患・感染性疾患などに罹患している時の競技は許可しない。
  4. その他ドクターが競技に不適であると認定した者、及びドクターの診断勧告に応じない者の競技は許可しない。
  5. 全力で競技を行なわない、もしくは故意の反則等、悪質な行為をした選手は、選手登録を抹消し、以後IBSAが認定する選手統括団体に登録できないこととする。但し、この決定に際し、選手には弁明の機会を与えることとする。
  6. IBMAが何らかの正当な事由により、選手登録を許可しない者の競技は許可しない。
  7. 競技会開始時間並びに競技時間に遅れた選手は、失格とする。
  8. 競技の選手登録後(参加登録後)、競技参加を一方的に反古にしたりした選手は、以後、IBMA(国際武道人育英会)の主催する競技には選手登録できないこととする。

 

第8節 コーチ

 

  1. 1人の選手に許されるセコンドは1名以内とする。コーチは、以下のことを守らなければならない。それに従わない場合、レフリーから退場を命じられる。
  2. 相手選手に対し相手を中傷するような非礼な言動をしてはならない。
  3. 競技中は所定の場所に着席し、選手への戦術的な指示以外はしないこと。
  4. 競技中、緊急時を除いて、コーチが競技場に入った場合は、その選手は失格となる。
  5. コーチは、競技前に氏名を審判委員会に届けること。

 

 

第2章 競技役員

第1節 レフリー並びに補助レフリー

 

  1. KyokushinUniversal-style競技を行う場合、レフリー1名及び1名以上の補助レフリーを配置しなければならない。
  2. レフリーは、選手の反則行為を判断、宣告する。
  3. レフリーは試合終了後、ジャッジの採点の結果により、勝者並びに延長戦の実施の宣告を行うこと。
  4. レフリーは「技あり」の判断し、それを宣告する。「技あり」の宣告の際は必ず「やめ」の宣告を行い、その後に「技あり」を宣告すること。
  5. レフリーは競技中、何らかの事由により、ドクター、補助審判員に意見を求める必要などが生じたとき、の判断で「止め」を宣告し、競技を中断することができることとする。
  6. レフリーは競技前、選手の服装に、破れや汚れ等、この競技規定に反する異常が見られた場合、注意を促し、直ちに直させること(その際、一旦両選手を退場させる)。
  7. レフリー並びに補助レフリーは、に反則行為や技の見落とし等が無いよう心がけ、より公正な技判定を協力して行なわなければならない。
  8. レフリーは競技において、競技の進行を司り、「始め」「続行」「止め」「認めず」「口頭注意」「イエローカード」「レッドカード」「勝ち」の8種類の宣告を行う。それ以外の宣告ならびに発言は選手の混乱を招く可能性があるので使用してはならない
  9. レフリーは、競技の審判の際、は選手の心身の安全に厳重な注意を払うことを義務とし、競技中、何らかの危険性を感じた場合、直ちに競技を中断し、ドクター、補助レフリー、他にアドバイスを求めなければならない。
  10. レフリーは「技有り」を宣告する際、選手に「やめ」を宣告し、選手を競技開始位置につかせなければならない。但し、選手の身体にダメージがあると判断される場合は、選手をその場に寝かせた状態のまま、ドクターの指示を仰がなければならない。
  11. レフリーは、本競技規程に定められた反則行為が見られた場合、本規程に則り、選手に対し 「イエローカード」「レッドカード」の告知による反則行為の宣告を行わなければならない。
  12. レフリーは、IBMAが認定した者が行なうこととする。
  13. レフリー並びにジャッジは、競技において、審判上の過失を犯した場合、IBSAの責任において降格又は資格を取り消す場合もあるものとする。
  14. 補助レフリーはの技判定や反則判定が困難な場合、を補佐する。また、競技中であっても、レフリーの判定等に過失があると判断すれば、指導することができる。

 

 

第2節 ジャッジ

 

  1. KyokushinUniversal-style競技を行う場合、3名以上のジャッジを配置しなければならない。
  2. ジャッジ3名並びジャッジは、本ヒッティングベーシック競技規程に則り、採点を行う者とする。
  3. ジャッジはレフリーの「技あり」の判定に問題があった場合、異議申し立てを行い、速やかに協議を行い、より公正な判定を行うことに協力すること。
  4. ジャッジの採点は、試合後、速やかに補助レフリーが取りまとめて、レフリーに伝えることとする。
  5. ジャッジはIBMAが認定した者が行なうこととする。

 

第3節 タイムキーパーならびにスコアボード係

競技におけるタイムキーパーならびにスコアボード係の役割は以下のように定める。

  1. タイムキーパーは、競技時間を管理するものとし、レフリーの「始め」の号令と共にストップウオッチを作動させ、「やめ」の号令でストップウオッチを一時、停止させる。
  2. スコアボード係は、レフリーの告知した「技あり」による得点ならびに「イエローカード」の宣告による加点をスコアボードに反映させること。

 

第4節 ドクター

競技ドクターはスポーツ医学に精通した医師であって選手の健康を管理する。ドクターは、以下の義務を守らなければならない。

 

  1. 競技試合の実行委員会の指示に従い、選手の定時または臨時の診察をすること。
  2. 競技中は、競技場の最前列に着席し、レフリーの要請があれば負傷選手の診断の結果を報告し、万一緊急事態が起こった場合には応急の処置をとること。
  3. 競技中、ドクターは自己の判断によってならびに大会実行委員会に競技中止を勧告することができる。

 

第3章  判定方法

 

第1節 勝敗の判定

 

  1. 競技は、本戦2分を規定のラウンド数を修了した時点で試合終了とする(本戦2~5ラウンド)。
  2. 勝敗の採点はKyokushinUniversal-style競技の基本採点法に則り、各ランドごとに行い、全てのラウンドの採点の総計の多いものを勝者とする。
  3. 規定のラウンド終了後、採点が同点の場合は延長戦を行う。
  4. 試合途中で、相手の反則行為以外の攻撃技により、試合続行が不可能となった場合、「勝負あり・一本」とする。
  5. 試合中、技ありを2回以上、宣告された場合は「一本(勝負あり・一本)」とする。

第2節 採点方法

勝敗の判定は、あらかじめ両選手に10ポイントを与え、10対10の状態から、規定の採点基準に則り、減点法で採点する。なお、採点の仕方は、以下の項目を1から四の優先順位で採点基準とし、採点する。

  1. クリーンヒット(有効打)の多い方                                                                                                       クリーンヒット(有効打)の多い方を優勢と見なすこと(10:9)。ただし、クリーンヒットとは、相手にダメージを与える 、反則行為ではない、突き技や蹴り技のこと(10:9)。
  2. 試合の主導権及び支配力のある方                                                                                                               クリーンヒット、積極的な攻撃姿勢、ディフェンススキルの面でも優劣を付けることができない場合は、どちらががある方を優勢と見なすこと  (10:9)
  3. ディフェンス(防御技術) スキルのある方                                               クリーンヒットでも、試合の主導権を有し、かつ支配力の面でも優劣をつけることができない場合は、相手の攻撃を無効にするディフェンスキルの高い方を優勢と見なすこと。(10:9)。ただし、攻撃技を出さず、ディフェンスに専念したり、フットワークを使って逃げ回っている戦い方は、デフェンススキルとは見做さない。
  4. 積極的な攻撃姿勢のある方                                                                                                クリーンヒットでも、試合の主導権でも支配力の面でも、ディフェンスキルの面でも優劣をつけることができない場合、積極的に攻撃を仕掛けている方(手数の多い方)を優勢と見なすこと(10:9)。ただし、攻撃技を正確にヒットポイントに出していない場合やガードを固めて前へ出ているだけでは攻撃とみなさない。

第3節 採点方法の備考

  1. 技ありについて

「技あり」を1回獲得した場合、無条件で2ポイント減点となることとする(10対8)

  1. 「イエローカード」の宣告を受けた者は、本戦ラウンドと延長戦において採点が同点の場合、イエローカードのある方を敗者とする。最終延長戦の場合、採点も同様とする。

 

 

第4節 延長戦における勝敗の判定

「 KyokushinUniversal-Style」においては、各ラウンドの採点のポイントの多い者を勝者とするが、総計が同点の場合、「延長戦」を行う。延長戦に関しては以下のように定める。

  1. 「延長戦」に入る前は、30秒~1分の休憩時間を与える。その際、選手はの指示に従い、場内の所定の位置において、立った状態で待機しなければならない。
  2. 「延長戦」において同点の場合、2分の「再延長戦」を行なう。
  3. 「延長戦」は3ラウンドを超えないことを原則とする。なお、最終延長戦においては「10対9のマスト方式」で採点を行うこと(延長戦では、10対10もあるものとする)

 

第5節 「場外」「転倒」による「イエローカード」、他

 

  1. レフリーは、競技者の片足が場外に出た時、場外に足を出した選手に「イエローカード」を告知し「場外」を宣告する。
  2. 回転胴廻し蹴りを多様し、転倒が多い場合、レフリーの判断により、「イエローカード」の告知を行う。

第6節 「技有り」「一本」、他

  1. 相手の攻撃により、「競技者が、一時的に競技の継続ができない状態にある」と審判の過半数が判断した場合、また、これ以上競技を続行すれば、身体的損傷を受けると審判の過半数が判断した場合。その場合は「勝負あり・一本(Ippon)」と宣する。この一時的の判断は、およそ3秒以上とする。
  2. 相手の攻撃により、「競技者が、一時的に競技の継続ができない状態にある」と審判の過半数が判断した場合、また、これ以上競技を続行すれば、身体的損傷を受けると審判の過半数が判断した場合。その場合は「 技あり」と宣する。この一時的の判断は、およそ3秒未満とする。
  3. 「技あり」を宣告されたものは2ポイント減点となる(10:8)。
  4. 「技あり」を2回宣告された場合、試合終了とし、「勝負あり・一本」とする

 

第7節 特記事項

 

以下の項目を競技における特記事項とする。

  1. 打撃技の判定において、クリーンヒット(有効打)と判断するのは、決められたヒットポイントに「正確に打撃技をあてること」を前提(正確性/必要条件)とし、「スピード」「体重移動(衝撃)」を充たし、「タイミング(制機/機会)」を捉え、「気合」を十分に込めることという5項目が充たされたものする。
  2. 「上中段」への突き技もクリーヒットと見なす場合もあるものとする。「上中段」とは、鎖骨から乳腺の間の正中線上のこと。
  3. 「中段」へのクリーンヒットを判断する場合、「中段」とは「みぞおち」と「左右脇腹」のこととする。ただし、脇腹は帯から上で乳腺のラインより下のこととする。
  4. 「下段」のクリーンヒットを判断する場合、「下段」とは、膝から腰骨に至る太腿(大腿四頭筋)の真ん中周辺のこととする。
  5. 「場外」を判定する際、「片足の足裏の一部が場外線にあれば、場外とは判定しない。また、片足が場外線を越えても空中にあれば、場外とは判定しない(第3章 第5節 1項)。
  6. レフリーの「やめ」の宣告後の攻撃は、必ず反則行為として判断すること。

 

第4章  反則行為について

 

第1節「口頭注意」「イエローカード」「レッドカード」の宣告

競技中、選手に反則行為が見られた場合のレフリーの宣告の規準並びに方法について、以下のように定める。

  1. レフリーは、選手がダメージ等のない軽微な反則行為を犯したと判断した場合、まず「口頭注意」により、選手へ反則行為に対する注意を促すこととする。
  2. 口頭注意」は1種の反則行為に対し、1回までとする。
  3. レフリーは本規程に規定された反則行為に対し、笛と反則行為を犯した側の旗を振ることにより告知をしなければならない。
  4. 「イエローカード」を告知された者は1点減点となる。
  5. レフリーは、故意による反則や相手へのダメージが大きい反則行為に対しては、即刻「レッドカード」の告知、または決められた所作により「失格」を宣告する。
  6. 「イエローカード」の告知、または決められた所作による「注意」の宣告は2回目までとし、2回目以降の反則は、軽微な反則でも失格とする。

 

第2節 危険な行為へのイエローカード

 

競技中、相手選手に重大なダメージを与える可能性のある危険な行為を行なった選手に対し、「イエローカード」の告知、または決められた所作により「反則」の宣告をしなければならない。その際、相手選手に1点を加点する。また、その詳細を以下のように定める。

 

  1. 突きや肘による頭部への打撃。
  2. 相手の喉、頸部への打撃。
  3. 鎖骨への打撃。
  4. 金的及び目への攻撃。
  5. 頭突きによる攻撃。
  6. 相手に噛みつくこと。
  7. 相手を引っ掻くこと。
  8. 相手の脚を取っての頭部への打撃。
  9. 相手の背後からの打撃。
  10. 相手の背部への打撃。
  11. 相手の膝関節への攻撃。
  12. 膝頭の中心から上下、左右10センチの部分への打撃。
  13. 相手頭部に手を掛けることや手で押さえること。
  14. 相手頸部に手を掛けての頭部への打撃技(中段は可とする)。
  15. 脚部への「かにばさみ」。
  16. 相手の空手着を掴むこと。
  17. 頸部を掛けたり押さえたりすること。
  18. 相手の競技着を掴んでの打撃技。
  19. 乳腺付近への突きや鎖骨への突きなどへの執拗な攻撃を禁じる。ただし、競技の流れの中で止むを得ず、当たった場合を除く(の判断に任せる)。
  20. レフリーの「やめ」の宣告後の攻撃。

 

第3節 危険な行為以外の「イエローカード」と「口頭注意」

 

レフリーは危険な行為以外で、以下のような場合、「イエローカード」の告知、または決められた所作による「反則」の宣告を行うこと。その場合、「イエローカード」の告知を受けた者は1点減点とする。なお、反則行為による試合への影響が軽微な場合のみ、初回に限り、「口頭注意」によって、反則行為の注意を促すことができるものとする。その場合は減点はないものとする。

  1. 上段(頭部)への突き技は相手に連続して2本までしか当ててはならない。(ただし、中段への突き技を組み合わせた場合を除く。また牽制や囮の突き技は、1本と換算しない)。
  2. 奇声を発すること。
  3. の指示に従わないこと。(「やめ」の宣告後の攻撃など)
  4. 場外に出ること(片足が場外線から完全に外に出た場合)。
  5. ダメージのない反則行為に対し、審判に大げさにアピールする行為に対しては、「口頭注意」を与えること。ただし、審判に明らかに見落としがある場合は取り消すこと。
  6. 場外付近(場外線から1メートル以内)における体当たり、両掌底、両拳による押し、ならびに相手を押しだすこと(場外付近以外での片手による掌底、拳による押しは可とする)。
  7. 5秒~10秒間以上、踏み込んでの突き、蹴りなどによる攻撃動作がなく、また攻撃の意思がみられない消極的な態度とが判断した場合、「口頭注意」または「イエローカード」の対象とする。なお、「口頭注意」とするか「イエローカード」とするかは、状況によりが判断する。また、が「イエローカード」の告知をされた者は、1点減点とする。
  8. 頭を下げ、間合いを詰めたりする戦術は「口頭注意」または「イエローカード」の対象とする。なお、「口頭注意」とするか「イエローカード」とするかは、状況によりが判断する。また、「イエローカード」の告知を行った場合は、相手に1点を加点する。
  9. 試合開始前ならびに試合終了後に指定の「試合作法」を行わなかったときには「口頭 注意」を行う(口頭注意は1回のみ、2回目以降はイエローカード、または決められた所作で「注意」の宣告を行う)。

第4節 レッドカードによる失格

 

競技中の反則行為に対しは、重大な反則行為並びに本規程にある競技理念に背く行為に対しては、「レッドカード」の告知、或いは決められた所作により「失格」を宣告する。なお、「レッドカード」の告知、或いは決められた所作により,「失格」の宣告がなされる行為を以下のように定める。

 

  1. 審判や相手選手に対する暴言や非紳士的態度を選手が見せた場合。
  2. の指示に従わない場合で、が危険又は悪質とみなした場合。
  3. 両手或いは両膝が床に着いている状態の相手を打撃技で攻撃した場合、ならびに攻撃の動作をした場合。ただし、極め突きは除く。
  4. 反則行為を何度も繰り返した場合、また、が悪質と判断した場合。
  5. 「イエローカード」の告知、あるいは「注意」の宣告を2回受けた選手は、3回目以降の反則行為の宣告は、無条件で「レッドカード」の告知により、「失格」となる。
  6. 本規程の37条9項にある、「口頭注意」を受けた後、作法を正確に行えない場合は「失格負け」とする

 

第5節 失格

 

  1. 「レッドカード」の告知ならびに「失格」の宣告がなされた場合、競技は終了する。なお「レッドカード」の告知ならびに「失格」の宣告を受けた選手は、の指示に従い、競技場の退場の所作を厳守し、退場する。
  2. 競技中、「失格」が宣告された場合、失格を宣告された選手の相手選手を「勝ち」とする。
  3. 「失格」の宣告を受けた場合、試合の作法を守らず退場した場合、その選手には、その後の選手資格の取り消しや出場停止などの処分を行う。
  4. 「失格」を宣告された選手は、審判委員会並びにIBMA極真会館 師範会の審議により、永久選手資格停止など、厳しい処分を行なう場合があるものとする。

 

第5章 選手とレフリーの所作

第1節 選手の所作

 

選手の競技開始前の所作を原則以下のように定める。ただし、若干の変更は可とする。

 

  1. 選手は競技場に入場する際、各選手のサイド(正面から見て赤は左側、青は右側のコーナーから「一礼(立礼)」をしてから入場する。さらに競技場の場外スペースを前進し、競技エリアの各選手サイド、中央から「立礼(別紙にて規定)」を行ない、メインスペースへ入る(下図を参照)。
  2. 選手は競技場の中央にて、相手と約1.5m~2mで、直立不動の姿勢で向き合いの指示をまつ。
  3. 選手はが「お互いに礼」と宣言したら、「立礼(別記に規定)」を行ない、左足から一歩を踏み出し、不動立ちで構える。の「構えて」の宣告で構え、「始め」の合図で競技を開始する。

  1. 選手の競技終了後は競技開始の位置で正面を向いて不動立ちで向き合い、の勝敗の宣告を受ける。
  2. 勝敗の宣告後、選手は互いに握手をし、競技開始の位置で互いに不動立ちで向き合い、選手双方が動きを合わせ、右足から一歩下がり立礼をする。その後回れ右で競技場を退場する。退場の際は、入場時と同様に「一礼(立礼)」をすること。選手は各選手サイドの中央から「立礼」を行ない、場外スペースへ出て、青サイド、赤サイドのコーナーから退場すること。

 

 

第2節 審判の所作

 

審判の競技場への入退場の所作を以下のように定める。

〈入場の所作〉

  1. 入場の際、審判は選手の入場に先んじて、競技場に入場する。
  2. 入場の際、審判員全員が、を先頭に競技場の赤サイドのコーナーから入場し、中央にを真ん中にしてジャッジが左右均等に並ぶ。
  3. 入場後、整列した審判員はの「正面に礼」の号令により、全員で「立礼」を行ない、競技スペースへ入る。
  4. 入場の際、各審判は定位置に付き、選手の入場を待つ。
  5. 入場の際、正面に向かい、競技スペースの境界線の前にを中央にして両側にジャッジが並ぶ(正面とは、役員席の方向とする)。
  6. 退場の際は、中央にを真ん中にしてジャッジが左右均等に並び、の「正面に礼」の号令により全員で「立礼」を行ない、競技スペースを出る。
  7. 退場の際は、審判員全員がを中央に横一列に並び、一礼をした後、を先頭に順に赤サイドのコーナーから退場する。
  8. 審判員の所作の詳細は別記を参照することとする。

 

 

第3節 レフリーの宣告方法、所作、他

 

競技中のレフリーの宣告方法ならびに所作を以下のように定める。

 

  1. レフリーは競技開始時、所定の位置で直立不動により選手を待つこと。
  2. は競技開始時、選手を正確に所定の位置につかせ、「お互いに礼」と号令をかけて「立礼」を行わせる。「立礼」の後は、選手を一歩前に出させ、「不動立ち」で立たせる。その後、「構えて」と号令をかけ、「始め」の宣告により、競技を開始させる。
  3. 「競技終了」の合図があった時、即刻「やめ」と号令をかけ、速やかに選手を競技開始の位置に正面に向かわせ立たせること。その後、選手の獲得点数をもとに勝敗の判定を行う。さらに選手双方に握手を促し、握手の後、選手を競技開始の位置に不動立ちで立たせること。
  4. レフリーは「技有り」「反則行為」、他が見られた場合、ジャッジは笛と旗により、それを告知する。また、は「止め」を宣告し、試合を一時、止めてからジャッジ(補助審判員も含む)の宣告を確認し、審判の過半数の同意があれば、それを口頭、またはカードの告知によって宣告する。
  5. レフリーは「技有り」「反則行為」の告知をする場合は必ず「止め」を宣告し、試合を中断してから宣告すること。
  6. レフリーは、「技有り」の宣告を行う際、まず「やめ」を宣告し、選手を中央に戻らせてから行なう。「技有り」の宣告の後は、選手を競技開始の位置で構えさせ、「続行」と宣告し競技を継続させること。
  7. レフリーは競技中、絶えず正面席に背を向けない形で位置を変え、選手の技が見え易いよう動きながら審判を行うこと。
  8. レフリーは、「注意」並びに「警告」の宣告する場合、「やめ」を宣告し、選手を競技開始線に戻してから宣告を行う。
  9. レフリーは、「一本」の判断を行う際、まず「やめ」を宣告し、選手の状態を確認し、選手の安全の確保を優先してから、宣告を行うこと。
  10. 10.レフリーは選手の攻防が近間で膠着状態となった場合などは、「やめ」の宣告により、競技を一旦中断し、選手を競技開始線まで戻し、「続行」の宣告を行い、競技の再開をさせることとする。

 

第4節 レフリーによる勝負判定の宣告作法

 

競技におけるレフリーの勝敗の宣告方法について以下のように定める。

 

  1. レフリーは、競技終了のブザーが鳴ったら、「やめ」と号令をかけ、速やかに選手を競技開始の位置に正面に向かせて着かせる。
  2. 本競技規程に則り、「勝ち」と判断される選手側の色の旗を90度上方に伸ばして、大きな声で「赤又は青の勝ち」と宣告する。
  3. レフリーの「勝ちの宣告」の際の所作は別記を参照することとする。

 

第6章 その他の特記事項

 

  1. 競技者並びに競技者(選手)の所属する団体並びにその関係者は、本規程を遵守し、競技に対する一切の不服を申し立てないことを誓約すること。
  2. 本規程は本競技規程の理念と目的を実現するために必要と考えられた場合は、その内容の改訂を行う。
  3. 本規定には細則を設ける場合があるものとする。その内容に関しては別紙に記載する。
  4. 本規程は増田章の理念、哲学から考案された競技規程である。よって、著作権は増田章にあり、その理念、哲学と異なると考えられる場合の流用をしないことを誓約すること。また、無断で名称、他の転用、並びに類似の名称を使わないこと。また、無断で変更等を加えてはならない。

 

 

備考

  • 2023年9月3日作成
  • 2023年12月17日一部修正
  • 2024年3月3月一部修正
  • 2024年9月:名称、他一部改訂

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